一般眼科とは

- 日本眼科学会認定の眼科専門医である当院長が担当します。当診療科は、目もしくは目の周囲に何らかの症状があって来院された方を対象としています。具体的には、目が痛い、かゆい、疲れ目、ドライアイ(目が乾燥している)、かすみ目、充血、視力低下など、症状が軽い、重いに関わらず、目に関することにつきましては、幅広く診療していきます。
- なお眼症状と一口に言いましても、それは多様で一過性のものもあれば、何度も症状を繰り返している、もしくは症状が持続しているなどいろんなケースがあります。また原因が特定できなければ、市販薬などを用いても症状を悪化させる可能性もあります。そのため、眼科で原因をしっかり特定させたうえで、眼症状の治療に臨まれるようにしてください。
一般眼科でよくみられる眼症状(例)
- 目や目の奥が痛む
- 目に異物感がある(目の中がゴロゴロしている)
- 白目が充血している
- 黒目が白っぽい
- 目ヤニや涙がよく出る
- 目がかゆい
- 慢性的に目が疲れる
- ドライアイ(目の乾き)
- まぶたが腫れている
- 物が二重に見える
- 物がゆがんで見える
- 光や明るい場所をひどくまぶしく感じる
- 視力が急に低下した
- 目の前に虫のようなものが見える など
診察に関して
- 診察にあたりましては、患者様が訴える眼症状の原因を調べるための問診や視診のほか、医師が必要と判断すれば、視力・視野検査、顕微鏡・眼底鏡検査、血液検査といった詳細な検査をするなどして、総合的に判断していきます。
- その結果、高度医療機器による検査や治療、入院加療を要するという場合は、当院の連携先でもある総合病院や専門の医療機関を紹介いたします。
小児眼科とは

- 小児(中学生くらいまで)を対象とし、主に子どもによく見受けられる眼症状(弱視、近視、遠視、乱視、斜視、眼精疲労など)を中心に診療していきます。なかでも小さなお子さんは、自分の言葉で目の異常を訴えることは難しく、また片目が見えていない状態に気づくということもほぼありません。そのため、普段からお子さんを見られている保護者の方で、テレビを異常に近い場所から見ている、目を細めている、首をかしげて物を見ているなどの姿をよく見るという場合は一度ご相談ください。
- そもそも人間は生まれた直後から成人のように何でも物が見えている状態ではなく、物を見続けるなどの訓練をしていくことで視機能は向上(発達)していきます。その発達曲線というのは1歳半をピークとして、だんだん減衰していくわけですが、8歳頃まで続くと言われています。
- この視力が発達している段階で何らかの原因によって、それが阻害されることがあります。その際によくみられるのが弱視や斜視です。これらの症状に全く気づくことなく、目の成長期間を終えてしまうと、後から目が見えにくいのに気づいて、視力矯正を行っても全く改善しなくなることもあります。このような状況を避けるためには、定期的に乳幼児健診を受けるなどして視力をチェックしていくことが大切です。なお3歳くらいまでに斜視や弱視を見つけることができれば治る可能性は高いですし、自治体で行う乳幼児健診をしっかり受診すれば目の異常も見つかりやすいです。
以下のような症状がお子さんにみられる場合はご相談ください(例)
- まぶたが開かない
- 目が揺れている
- 黒目が白い、茶目が灰色など、目の色が不自然である
- 極端に近づいてテレビや玩具を見ている
- まぶしそうにして、よく目を閉じている
- 目を細めた状態で物を見ている
- 上目づかい、あるいは横目づかいなど、目つきがおかしい
- よく物にぶつかる、転倒しやすい
- フラッシュを焚いての撮影では、片方の目だけ違う色に光って写る、いつも同じ目が光って写る
- など
小児でよくみられる眼症状
斜視
- 人は物を見る際は両眼で見ています。つまり見ようとする対象物に両目ともそちらに視線がいっています。これを両眼視と言います。この両眼視によって、立体的に物を見られるようになるのです。この両眼視は生後1年程度で、できるようになると言われ、6歳頃までには完成するとされています。
- この見ようとしている物に対して、一方の目は向いているのに、もう一方は別の方向を向いているという場合を斜視と言います。こうなると視線がずれた状態なので、脳内で両目が映す像の不一致が起きてしまい、ものが二重に見える(複視)、奥行き感や立体的に物を見るという感覚が低下するようになります。こうなると両眼視機能の発達が阻害されるようになるわけですが、さらに弱視が伴っているケースもあります。ちなみに斜視は、小児の2%程度にみられると言われています。
- 発症の原因に関してですが、遠視、遺伝的要因などによる両眼視機能の異常、病気やけがをきっかけに一方の目の視力が悪くなることによって両眼視ができなくなる視力不良、眼球を動かす筋肉や神経の異常といったことが挙げられます。
- 斜視は主に内斜視、外斜視、上斜視、下斜視の4つの種類に分けられます。なお右目が正常な位置を示しているとすれば、左目が内を向いていれば内斜視、外を向いていれば外斜視、左目が上を向いていれば上斜視、下を向いていれば下斜視となります。なお、内斜視は遠視、外斜視は視力不良、上・下斜視では両眼視機能の異常や眼球を動かす筋肉や神経の異常のケースが考えられると言われています。
- 治療に関してですが、遠視が原因であれば凸レンズによる矯正をしていきます。遠視以外が原因の斜視は手術療法として、眼球を動かす筋肉を調節するなどしていきます。
弱視
- 先にも触れましたが、赤ちゃんが視機能を向上させるには、常に物を見続ける訓練というのが必要になってきます。ただ何らかの原因によって、この訓練が阻害されてしまうと視力の発達が抑えられてしまいます。この成長が止まってしまっている状態を弱視と言います。なお弱視では、物が見えにくいからと視力を矯正する眼鏡をかけたとしても見えるようにはなりません。
- ただ感受性が残っているとされる時期までに弱視の症状に気づいて、視力増強訓練(遮閉法)などを行えば、視力がよくなる可能性が高くなるので、速やかに発見して、早期に治療を受けることは大切です。3歳くらいまでに発見することができれば、その確率は高いと言われています。
- ちなみに弱視は、保護者の方が注意深く見ていてもわかりにくく、片方の目だけが弱視の場合はとくに気づきにくいと言われています。これを予防するためには定期的に健康診断を受けられるようにしてください(とくに3歳児健診の視力検査)。
弱視の種類について
弱視が起きる原因としては、以下のことが考えられます。
- 斜視弱視
- 斜視によって片眼の視力成長障害が引き起こされたことによる弱視
- 不同視弱視
- 両眼で屈折度の差が大きく、屈折異常(遠視、近視、乱視)が大きい方の眼に片眼性の視力障害(弱視)が起きている
- 形態覚遮断弱視
- 先天性白内障など目の病気が原因で乳幼児期に眼帯を長い期間つけるなどして、ものを見る訓練ができないことで起きた弱視
- 屈折異常弱視
- 大きな屈折異常が両眼にあることで、両眼性の視力障害によって引き起こされる弱視
治療について
治療は弱視の原因によって異なります。斜視弱視であれば斜視を治療していきます。形態覚遮断弱視であれば、原因となる眼疾患の治療をしていきます。屈折異常弱視なら、矯正レンズによって物をくっきりと見えるようにしていくことで視力を発達させるようにします。また不同視弱視の場合は、1日2時間程度ではありますが、良い方の視力に眼帯をし、視力が悪い方の眼で物を見続けますが、訓練時は眼鏡(矯正レンズ)をかけ、物がはっきり見えている状態にして行っていきます。